tips6.靴の製法1
byうぇぶますたー@大きい靴やテン


 靴というのは、シャツなんかと違って、
実は沢山の職人さんの手によって作られているんです。
レディースのパンプスは、”セメント式”と呼ばれる製法で、
作られる場合が非常に多いのですが、
それを例にしてみましょう。
(ほかの製法については、Tips7でとりあげましょう)
国内の靴産地は、いくつかあるのですが、
”浅草”を例にしていきます。
(靴産地についてもまたの機会に……)


動物の”皮”は、加工することにより初めて”革”になるわけですが、
その工程は、省きましょう。
(もちろんここにも様々な職人さんがいるわけですが……)
(参照革の種類仕上げの方法

まず、仕入れてきた革を
平面の革を様々な靴のパーツに切ります。
(いわゆる、”裁断”です)
もちろん、めくら滅法に切るわけではなくて、
”カミガタ(紙型)”に沿って、”包丁”と呼ばれるもので切ります。
「紙型を起こす」なんて、よく職人さんは言いますが、
ここで、靴の形は決まってしまいます。
(紙型が靴の設計図なわけです)

でも、紙型に沿って、いちいち切ってたんじゃ、大変ですよねぇ?
そこで、登場するのが”金型”やさんです。
金型は、先が鋭くなっていて、ドンドン革を切り分けられます。

次は、製甲(縫製)と行きたい所ですが、
底材も、決めておかなきゃいけませんね。
底材にもいろいろな種類がありまして、
ヒールだけでも、何百種類と底材屋さんが取り揃えています。
(でも、大きいサイズだと、
なかなかちょうどいい物が見つからないんです)

で、次は製甲ですね。
バラバラになっている革をドンドン縫い合わせます。
でも、底はくっついていませんし、
実際の完成した靴から比べると、ずいぶんと平面的です。

そして、次にやっと”木型”の登場です。
いわゆる”つりこみ”です。
あらかじめ底面に中底を仮止めしてある木型に、
靴の上側の部分をかぶせて中底に取りつけ、
靴型に密着させて固定します。

さらに、”シャンク”などをくっ付けてから、
本底を機械で圧着してくっ付けます。
(”底付け”なんて言われることもありますね)
やっと靴の形になりました。

でも、これで、終わりじゃないんです。
まだ、”仕上げ”があります
中敷貼りや品番打、コテかけ、磨き、
などの作業の後、検品して靴箱に入れて、
ここでやっと完成です。


以上の作業、浅草でも分業制がかなり細かくなってます。
金型屋さんから底付け屋さんや仕上げ屋さんまで、
細かく分ければ、もっともっと分けられます。
それほど、沢山の職人さんの手によって靴は作られているんです。



もちろん、”紙型”を起こすのから、”仕上げ”まで、
ぜーんぶ、一人でやっちゃう、職人さんもいますよ。
(いわゆるオーダーメイドですね)
でも、価格や品質の面では疑問点が……。
じゃぁ、その理由をあげましょう。
裁断(革を切り分ける)のとき、オーダーメイドだと、
紙型を包丁で切るわけです。
でも、分業制である程度のロットがあれば、金型を使えます。
どっちの方が、手間をかけないで寸分と違わぬ革が切れるでしょう?
納得頂けませんか?


ほかにも、ロットの問題、いろいろな所にあります。

本稿ちょっと、長くなりすぎたのでここまでで、終わらせていただきます.



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